学校日誌(がっこう にっし)

県庁11階「展望室」に美馬分校生徒のアートパネルが展示されました。

2025年10月7日 12時32分 [教頭]

067A7461

 昨年度「藍コンクリートアート」でお世話になった株式会社reterace.の喜田様から連絡をいただきました。徳島県庁の「食堂」に続いて、今回は「展望室」に美馬分校の生徒が作成したパネルを組み合わせた作品を展示してくださいました。

 〈デザインコンセプト〉

 「吉野川が育んだ藍~つながりと未来への流れ~」

 この作品は、徳島の吉野川がもたらした恵みとそこに根 ざす藍文化、そして 人と人とのつながりを象徴した藍デザインコンクリートアートパネルです。

 ■ 吉野川と藍文化

 徳島の藍は、かつて“ジャパン・ブルー”として世界中から賞賛された文化であり、その背景には吉野川 の存在が欠かせません。吉野川流域の良質な水と豊かな土壌は、藍の生育と染料づくりに理想的な条件を与 え、徳島の藍産業を長年にわたり支えてきました。 この作品では、吉野川の川筋である池田から川内へと向かう実際の地理的な流れをもとに、アートパネル を左から右へと展開し、川の流れが藍を育み、文化を育て、人をつないできたという歴史を視覚と空間で表現 しました。

 ■ 配置の構成

 アートパネルは左端(池田)で垂直に立ち上がり、右端(川内)に向かって徐々に角度を傾けながら配置 することで、川の流れを立体的に表現し、勢いと広がり、そして未来への躍動感を生み出しています。 各パネルは手と手を取り合うようにつながり、“流れの一体感”と“人の絆”を象徴しています。

 ■ 生徒制作パネルの意味

 今回のパネルは、池田支援学校美馬分校の生徒の皆さん一人ひとりが手がけた作品です。 それぞれの表現は違っていても、ひとつにつながることで「協調」「連帯」「多様性の調和」を象徴し、 吉野川の支流が一つの大河となるように、藍文化の未来を担う力強い流れを表しています。 そして、子どもたちが未来へ羽ばたいていくことを願っています。

 ■ デザインの効果

 空間に入って瞬間、目に飛び込む藍の帯。その色は光によって絶えず表情を変え、時間帯や天候によって 異なる輝きを放ちます。 朝の強い光ではきらめく水面のような輝きに、午後の柔らかな光の中では深く静かな青に。青と白とのコ ントラストによって、ラインはより際立ち、空間全体を染めるような清らかで品格ある印象を放ちます。

 素敵なコンセプトで展示をしてくださっています。県庁にお立ち寄りの際には、ぜひ県庁11階の「食堂」と「展望室」の作品をご覧ください。